梅肉エキスには健康増進効果があるの?

完熟する直前の新鮮な青梅を絞った汁を長い時間かけて煮つめ、濃縮して作られる梅肉エキス。1kgの青梅から20gほどしか作れない稀少品ですが、梅肉エキスの栄養価は青梅と比べて50倍、梅干しと比べれば25倍とされています。

こうした栄養価の科学的根拠は、専門の研究機関や大学によって効用が明示されています。今回は、梅肉のエキスに期待できる健康増進効果について解説します。

効果的に摂取できるのはいつ?

梅肉エキスは、薬ではなく食品です。そのため、基本的にはどのタイミングで飲んでも大丈夫です。ただし、胃腸が弱い方の場合は、空腹時を避けるようにして、食後に摂取することが推奨されています。

なるべく食間や食前などの空腹時に摂取するのが理想的と言われていますが、食後の摂取でも問題はありません。とりわけ就寝の30分前に摂取すると、翌朝にすっきり目覚める効果が期待できます。

梅肉エキスは、多く摂取すればより効果があるという訳ではありません。飲む目安としては、液状のものなら1日に約3gが目安です。多く摂取するよりも目安の量を毎日少しずつ飲み続けることが大切です。

飲むのを忘れてしまいがちな方は、食後に飲んでも良いでしょう。

体にとって嬉しい効能とは?

梅肉エキスには、体に嬉しい沢山の効能が期待できますが、簡単に言えば「病気になりにくい体づくり」に役立ちます。人間の免疫システムの中で重要視されているのが、マクロファージです。

マクロファージは常に血液の中でパトロールをしており、体内に細菌およびウイルスや有害な化学物質などが侵入したり、体内にがん細胞などができたりすると、それらをパクパク食べて排除する働きをします。

梅肉エキスは、免疫システムにおいて要となるマクロファージを2倍も活性化し、病原体が増殖するのを抑えて発病を未然に防げる効果のあることが実験で判明しています。梅肉エキスは必須補助食品であり、1日にわずか3gの摂取で免疫システムに働きかけることができます。

梅肉エキスは自宅で作ることができる

健康に良い食品として注目される梅肉エキスは市販品が売られていますが、自宅でも作ることができます。まず、青梅を洗って、水気を拭き取っておきます。ヘタは竹串でとったら、おろし器ですりおろしていきます。

すりおろしたら、ホーローの鍋などに木綿の袋を2枚か3枚重ね、そこに青梅を入れて果汁を絞り出しましょう。果汁を絞ったら中火にかけ、煮立ってから弱火にして煮詰めます。かき混ぜながら煮てしばらくすると、アクが出て鍋の内側につくので、濡らしたしゃもじですくいとりましょう。

さらに煮詰めて泡だらけになったら火を止めて粗熱をとります。糸を引くくらいの硬さになったことを確認したら、温かいまま容器に移して自然に冷ますと、梅肉エキスが完成します。冷めたら容器に入れ、冷暗所で保存できます。

梅肉エキスを美味しく食べる方法

梅肉エキスは、お湯にそのまま溶かすだけで温かい飲み物になります。体がポカポカ温まりますが、酸っぱい味が苦手という方には、美味しく食べる方法があります。それはハチミツなど甘みがあるものを加える方法です。

そうすれば、酸っぱさがまろやかになって飲みやすくなります。リンゴがあれば、梅肉エキスにリンゴとハチミツを加えて作るリンゴジュースがお勧めです。作り方は、この3つをミキサーにかけるだけ。梅肉エキスとハチミツの優しい甘さが調和して、いつものリンゴジュースがより美味しくなります。

ヨーグルトをよく食べるという方は、ヨーグルトと混ぜる方法もお勧めです。こちらもハチミツなどをお好みで加えれば、ヨーグルトが持つ酸味と調和して美味しく食べることができます。

また、暑い夏にお勧めの方法は、夏バテを解消できるドリンクです。梅肉エキスを少量お湯に溶かして、そこに梅シロップをお好みで加えれば、冷やすだけで完成です。

自作した梅肉エキスは日持ちするのか?

一般的に、梅肉エキスには賞味期限は存在しないとされています。その理由は、梅肉エキスは極めて殺菌力が高く、変質することもほとんどないからです。

梅肉エキスは常温でも長期間保存ができます。保管する際には、室内で直射日光の当たらない場所で保管することが大切です。また、気温によっては多少エキスの固さが変わることがあります。夏季は柔らかめになり、冬季は硬めになります。冷蔵庫で保管した場合、低温の影響でエキスが硬くなる場合があるので注意しましょう。

酸が強い梅肉エキスは陶器製かガラス製の容器に保存します。乾燥防止のために、蓋がしっかり閉めて密閉できる容器が向いています。清潔に使っていれば、何年経過しても品質はほとんど変わらないと言われています。

ムメフラールの働きがすごい!

活性酸素の中でも極めて悪玉とされている「ヒドロキシラジカル」は、体内にこの活性酸素を消去できる酵素が存在せず、外から何らかの方法で退治するしかありません。しかし、梅肉エキスには「ムメフラール」という成分が含まれており、これが悪玉活性酸素「ヒドロキシラジカル」を消去できることが判明しました。

しかも、ヒドロキシラジカルを消去する作用を調べる実験によれば、ビタミンCと比較して10分の1の量で「ヒドロキシラジカル」を消去できることが分かっています。

さらに梅肉エキスには、ファイトケミカルの一種である「クロロゲン酸」も含まれています。ファイトケミカルは野菜が紫外線からの影響や害虫などの害から自分の体を守るために作る物質のことです。

植物の色素、辛み渋みなどの味、香りなどとして植物に含まれ、ムメフラールとの相乗効果が注目されています。

冷え症の改善が期待できる梅肉エキス

先程触れたように、梅肉エキスには独自の成分である「ムメフラール」が含まれています。ムメフラールに備わっている一番の効果は、血流を改善する効果です。

一般的に、血流を改善できる効果がある食べ物として玉ネギあるいはお茶が知られていますが、ムメフラールの場合はこれらの食品とは一味違います。ムメフラールは、赤血球に対して弾力を持たせることによって形を柔軟に変えられるようになり、血液の流れを速くすることができます。

そのため、酸素および栄養分を体の隅々までスピーディに届けられるようになり、同時に老廃物を手早く除去することができます。

さらに、血液が固まってしまうのを防いで、血栓を予防する効果も期待できます。こうした効果から、梅肉エキスは冷え症の改善にも有効とされています。

腸の動きを活発にして便秘予防

梅肉エキスの中に豊富に含まれている有機酸は、胃液の分泌を正常化して食物の消化吸収を良好にする効果が科学的に明らかになっています。また、梅肉エキスが持っている「梅の可逆性」によって、便秘や下痢にも効果的だということが分かっています。

便秘の症状は、腸のぜん動運動が弱まって、食べ物のカスが腸内でスムーズに運ばれず、水分だけが吸収されて便が硬くなり、排泄されにくくなっている状態です。反対に下痢の症状は、腸のぜん動運動が活発化しすぎて、食べ物のカスから水分がうまく吸収されずに便が排泄される症状です。

梅肉エキスは、腸のぜん動運動をほど良い程度に活性化して改善することができます。便秘がちの方だけでなく、下痢になりやすい方にも作用しますので、両方の場合に役立つ利点があります。

梅肉エキスの血流改善効果

梅肉エキスには、エイジングや病気の原因になる活性酸素の毒性を排除する成分が高濃度で含まれています。梅肉エキスに含まれる成分のムメフラールには冷え性を改善する効果が期待できると説明しましたが、このムメフラールは梅肉エキスのクエン酸との相乗効果で血流改善の効果が見込めます。

血液がサラサラと流れやすくなる上に、血液の中にコレステロールが溜まってしまうのを抑えてくれますので、血管が詰まったり老化してしまうのを防ぐことができます。血流がよくなると、動脈硬化あるいは高血圧といった病気を予防することができ、肩こりなども改善できます。

さらに、新陳代謝も活発になるため、エイジングにブレーキをかける作用も期待できます。

レモンよりも強い疲労回復効果

梅肉エキスには、クエン酸が沢山含まれています。クエン酸は梅およびレモンに含まれる「酸っぱい」成分のことで、疲労の原因になる乳酸が生成されるのを抑える作用があります。クエン酸は、疲労や筋肉痛、肝臓病などを予防したり、改善する働きをします。

また、脳の神経の疲労も和らげるので、認知症を予防する効果に注目が集まっています。通常、乳酸は筋肉に蓄積すると疲労という形で現れます。でんぷんが分解されることで作られる乳酸ですが、クエン酸にはその乳酸を水および炭酸ガスに分解し、体外に排出する働きがあります。

さらに、クエン酸は乳酸そのものを作りにくくします。クエン酸を多く含む食品として、梅干しや酢などが挙げられますが、梅肉エキスはクエン酸の含有量がレモンと比べて10倍以上。このことから、梅肉エキスは優秀な疲労回復食品と言われています。