酵素の最適温度とは?

ヒトは生命活動を維持するために、常に様々な化学反応を体内で行っています。この体内での化学反応を助けてくれるのが、酵素になります。

しかし、酵素は温度が低すぎたり、高すぎたりするとうまく働かなくなってしまったり、壊れてしまう恐れがあります。そのため、最適温度を知る必要があります。

まずは酵素について理解しよう

そもそも酵素とは、タンパク質でできている物質で、体内で起こる化学反応を助ける働きがあります。生物は生きていくために、酸素や栄養を取り入れる必要があります。

この時、酸素や栄養を取り入れる為に化学反応が必要となりますが、この時酵素があると効率よく行うことができます。逆にいうと、酵素がなければ生命活動は維持できなくなってしまいます。

さて、この酵素の特徴的な働きとして挙げられるのが、特定の化学反応にしか働きかけないということです。例えば同じ消化酵素でも、種類によってたんぱく質を分解するものと、脂質を分解するものなどに分かれます。

他の酵素もそれぞれ働きかける化学反応が決まっており、他の化学反応に働きかけるということはありません。また、酵素はそれぞれ好む環境も違っているため、同じ体内でも特定の場所でしか働くことはできません。

体内で生成されるのが内部酵素

酵素のうち、主に体内で生成されるのが「内部酵素」です。内部酵素はヒトの体内で作られ、日々生きていくために様々な化学反応を引き起こしています。

さて、ヒトが生きていくうえで必要な化学反応は、主に「消化」と「代謝」に分かれます。「消化」は外部から入ってきた栄養を分解するために働きます。一方、「代謝」は吸収された栄養素を細胞に届けたり、有害物質を外部に出すなどの働きがあります。

これらの働きはそれぞれ決まった酵素が、決まった場所で行われています。この内部酵素は別名「潜在酵素」とも呼ばれています。というもの、最近の研究ではヒトが一生の間に作れる酵素の量には限界があることが分かってきているからです。

そしてヒトは歳を重ねると酵素を作る働きが少しずつ弱くなってしまいます。そのため、日ごろから酵素に負担をかけすぎないようにすることが重要となります。

食物など外から取り入れるのが外部酵素

酵素の中には体内では作られず、食物等から取り入れる必要があるものもあります。これは「外部酵素」と呼ばれるものになります。

「外部酵素」は別名「食物酵素」と呼ばれており、野菜・果物・発酵食品に多く含まれています。これらの酵素は主に消化を行う機能があります。そのため体内の消化酵素を助け、内部酵素の負荷を小さくする効果が期待できます。

内部酵素の負荷が小さくなれば、それだけ身体を元気に保つことができます。つまり、外部酵素を取り入れることで、身体を元気にすることができるのです。ただし、外部酵素を取り入れる上で注意が必要なのが、熱です。

酵素は熱に弱いので、生の食品から摂取する必要があります。そのため、酵素を外部から取り入れる為には、熱を加えないものを食べる必要があります。

内部酵素は大きく分けて2種類

主に体内で作られる内部酵素は、「消化酵素」と「代謝酵素」に分かれます。「消化酵素」は体内に入った栄養を吸収しやすいように分解する働きがあります。一方、「代謝酵素」は吸収された栄養素を細胞に運んだり、体内で不要になったものを排出する働きがあります。

この「消化酵素」と「代謝酵素」ですが、片方が良く働くともう片方はあまり働けなくなってしまうという特徴があります。例えばたくさん食べてしまうと、その分消化しなければならないため、「消化酵素」の割合が多くなり、「代謝酵素」の割合は少なくなります。

すると代謝があまり行われなくなり、身体のエネルギーをあまり使わないようにするため眠りにつきたいと思うようになります。逆に体内に細菌が入り、早く体外に追いだしたい場合は、「代謝酵素」の割合は高くなり、「消化酵素」の割合は少なくなります。

すると食べてもあまり消化できないため、消化不良を引き起こしてしまいます。このように、2つの酵素は互いに働きあっています。そのため、2つの酵素のバランスが大切になります。

消化酵素と代謝酵素に分けられる

酵素は働きに分けると、大きく「消化酵素」と「代謝酵素」に分けられます。これは消化・代謝が生命維持のために必要不可欠な働きとなっているからです。

「消化酵素」は食物の中に含まれる栄養素を分解し、身体に吸収されやすくなるよう加工する働きを持っています。また、消化酵素はそれぞれ好みの場所が異なるため、特定の場所で、特定の栄養素に対してのみ働きかけます。

例えば唾液で働く唾液アミラーゼは炭水化物を分解しますが、胃で働くペプシンはたんぱく質を、リパーゼは脂肪を分解する働きを持っています。一方「代謝酵素」は、体内で運搬屋として働いています。

体内に吸収された栄養素を細胞まで運んだり、逆に不要になった栄養素を外部に運んでいます。また、体内に入った菌を追い出す免疫機能も担っています。また代謝酵素は、肌の生まれ変わりなどにも大きく関係しています。

酵素は主にタンパク質でできている

身体の様々な化学反応を助ける酵素ですが、その主な成分はタンパク質になります。そもそもタンパク質は、皮膚や筋肉など、身体の様々な部分を作り出している成分になります。

つまり、ヒトが生きる上で欠かせない栄養素の一つとなっています。そしてタンパク質は遺伝子の基となるアミノ酸がつながってできたもので、つながり方によって様々な場所で、様々な特徴を示すようになります。

そして酵素の場合、タンパク質がミネラルに巻き付いたものとなります。この時ミネラルの種類や、タンパク質の巻き付き方によって、働き方や好みにする環境が大きく変化します。

タンパク質とミネラルの組み合わせが豊富にあるからこそ、酵素の種類も豊富になります。

タンパク質は熱に弱い性質が

酵素の原料にもなっているタンパク質ですが、実は大きな欠点があります。それは、熱に弱いということです。例えば卵の白身はタンパク質が豊富ですが、熱を加えると白く、硬くなってしまいます。

これはタンパク質に熱が加わったことで、タンパク質の性質が変わってしまったことを指します。タンパク質は熱が加わると壊れやすく、本来持っていた働きを失ってしまいます。そして酵素は、主にタンパク質からできた物質になります。

つまり、酵素に熱が加わってしまうと、今度はたんぱく質の性質が変化してしまいます。酵素は化学反応を決まった場所で、決まったものに対して働きかけますが、タンパク質が熱によって変化してしまうと、本来酵素が持っていた働きも失われてしまうのです。

50度以上の熱で変性しうまく機能しなくなることも

酵素は主にタンパク質によって作られています。そしてタンパク質は、ある一定の温度以上になると、「変成」という化学反応を引き起こしてしまいます。

タンパク質はある一定以上の温度になると、固くなってしまう性質があります。そしてタンパク質の場合、一度固くなってしまうと、もう二度と戻ることはなくなってしまいます。

例えば、卵の白身にはタンパク質が豊富に含まれていますが、熱が加わると白く、固くなってしまいます。これを元の白身の状態に戻すことはできません。

このように、タンパク質は一度熱が加わってしまうと、元に戻れなくなってしまうのです。酵素もタンパク質からできているため、熱に弱いです。50度以上の熱でタンパク質が変性してしますと、酵素として働く物質が無くなってしまいます。

するとうまく機能しなくなってしまいます。そのため、特に外部から取り入れる際は50度以上にしないことが大切になります。

人間の体温に近い30~40度が最適温度

酵素はある特定の場所で、特定の反応に対して働きかける性質があります。そして酵素が働きやすい温度も決まっています。

酵素は寒すぎると、十分に活動しなくなってしまいます。一方熱すぎると、酵素の主成分であるタンパク質が変成し、酵素の働きそのものが失われてしまいます。

そこで酵素が最も働きやすい温度を考えると、30~40度が最適温度といえます。つまり、酵素は活発に働くが、タンパク質が固まることもない温度となります。

ヒトの体温が35~37度程度に保たれているのも、酵素の最適温度と関係があります。体温がもし42度以上になってしまうと、体内のタンパク質に異常が生じるようになります。

そのため、体内のタンパク質に異常が出ず、体内にある酵素のほとんどがしっかり働くことができる温度を考えると、35~37度が最適となります。この時、体温が低ければ低いほど、酵素の働きは悪くなります。

そのため、常に体温を最適温度にできるだけ近い形で保つ必要があります。

酵素の性質を理解して効率よく摂取しよう

酵素には体内で作られる「消化酵素」「代謝酵素」、食べ物から摂取する「外部酵素」の3種類があります。「消化酵素」と「代謝酵素」は互いに関係があり、片方が良く働くと、もう片方はあまり働かなくなる性質があります。

そのため、「外部酵素」を取り入れることで「消化酵素」の働きを助け、「代謝酵素」に回りやすくする必要があります。

また、酵素はタンパク質からできていますが、温度が低すぎるとうまく働かず、温度が高すぎると固まってしまう性質があります。そのため、酵素は熱を加えてしまうと壊れてしまうため、外部から取り入れるときは、できるだけ火を通さず、生のまま食べるようにします。

また、体内を酵素にとって最適な温度にすることも大切です。運動などを心掛け、体温を酵素が働きやすい35~37度に保つことが大切です。